前と同じスキンケアが効かない理由。AHA・PHA・BHAで見直す角質ケア
「前と同じスキンケアをしているのに、なんだか効きが悪い」と感じることはありませんか。
化粧水を重ねても、うるおった実感が続かない。ファンデーションのノリが安定せず、肌に触れるとゴワつきを感じる。
こうした変化は、肌トラブルというほどではなくても、スキンケアの受け取り方が少しずつ変わってきているサインかもしれません。そんな違和感から、スキンケアを見直し始める人が増えています。
年齢を重ねるにつれて、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)は少しずつ緩やかになり、本来であれば自然に剥がれ落ちるはずの角質が肌表面に残りやすくなっていきます。その結果、肌表面の状態が乱れ、うるおいや美容成分がなじむ「通り道」が整いにくくなる場合があります。
そこで提案するのは、削る角質ケアではなく整える角質ケア。
本記事では、AHA・PHA・BHAといった成分の違いをひもときながら、必要以上に刺激を与えず、今のご自身の肌状態に合った角質ケアの選び方をお伝えします。
■AHA・PHA・BHAの違いを知る
角質ケア成分と聞くと「刺激が強そう」「使い分けが難しそう」と感じる人も多いでしょう。一見難しそうでも、それぞれを「どこに・どんな状態で使うか」という視点で見ると、格段に理解しやすくなります。
■AHA(アルファヒドロキシ酸)
果実やサトウキビなどに含まれる有機酸や発酵由来の乳酸などを含む、水溶性の酸の総称で「フルーツ酸」としても知られる成分群です。代表例として、グリコール酸・乳酸・クエン酸・リンゴ酸などが挙げられます。肌表面にたまった古い角質に働きかけ、肌のゴワつきを感じるときや肌がくすんで見えるときに使いやすく、比較的やさしい使用感のアイテムが多いのが特徴です。
スキンケアのなじみにくさを感じるときに、洗顔アイテムなどでも取り入れられます。
■PHA(ポリヒドロキシ酸)
AHAと似た働きをしながら、分子が大きく、角質層にゆっくり作用するため刺激を感じにくく、同時に保湿感を得られるアイテムが多いのが特徴です。乾燥しやすい時期や季節の変わり目で肌がゆらぎやすいときにも取り入れやすく「角質ケアはしたいけれど刺激は避けたい」という人に向いています。
他のピーリング成分が肌に合わない場合に候補として検討されやすい成分です。
■BHA(ベータヒドロキシ酸)
サリチル酸とも呼ばれ、脂溶性で皮脂となじみやすいため毛穴まわりの角質にアプローチしやすい成分です。毛穴詰まりが気になる部分には有効ですが、肌質や使い方によっては刺激を感じやすいこともあります。
そのためエイジング世代の場合は、AHAやPHAを中心に考え、BHAは補助的に使用するのがよいでしょう。
■現代の角質ケアは「削る」から「整える」へ
以前のピーリング(角質ケア)は古い角質を落としたり剥がしたりすることが目的で、肌に必要なうるおいまで奪ってしまい、乾燥や刺激につながるケースも少なくありませんでした。
現在の角質ケアは、角質同士の結びつきをゆるめ、不要になった角質が自然に落ちやすい状態をつくる考え方が主流です。そのため無理に取り除くのではなく、肌本来の生まれ変わりの流れをサポートするようなアイテムが多く販売されています。
「肌がなんとなくどんより見える」「保湿しているのに満足感が続かない」と感じるときは、乾燥だけではなく、角質の滞りが影響している可能性も考えてみましょう。
■コンディションで選ぶマイルド角質ケア
角質ケアをする際は、その日の肌コンディションを見て選ぶことが肌負担を抑えるポイントです。
例えばくすみやごわつきが気になるときは、AHAで表面をなめらかに整える。乾燥やゆらぎを感じるときは、低刺激で保湿感のあるPHAを選ぶ。毛穴の詰まりが気になる部分だけに、BHAをポイント使いする。BHAは全顔に使用せず、必要な部分だけに取り入れることで刺激を抑えながらケアできます。
角質が整うと、肌表面がなめらかになり、うるおいの通り道が開きます。そうすることで化粧水や美容液が均一になじみやすくなり「スキンケアが入っていかない」という感覚が軽減されます。
角質ケアを行ったあとは、保湿や紫外線対策を丁寧に行いましょう。
人によって肌の反応はさまざまだからこそ「少なめから試す」「調子を見ながら調整する」という姿勢で角質ケアアイテムを試してみてください。
■まとめ
AHA・PHA・BHAの役割を知ると、角質ケアは怖いものではなく「今の肌に必要な選択をすること」だと認識できます。
肌が発しているサインに気づき「今日はゴワついている」と感じたときに、マイルドに整えてあげる。
その積み重ねが、肌のコンディションを安定させていきます。
角質ケアは毎日必須ではなく、必要なときに取り入れるだけで十分。
なんとなく不調だった肌が「今日は悪くないかも」と感じられる日を増やすためのちょっと特別なケアとして取り入れてみてくださいね。
<筆者の一言>
若いころは、あまり意識しなくても気にならなかった肌のゴワつきやくすみ。
特別なトラブルがあるわけではないけれど「あの頃と同じスキンケアでは足りないかもしれない」と感じる瞬間が、私自身も少しずつ増えてきました。
でも毎日きちんと頑張るのは、正直しんどいですよね。
そんななかでも少しだけ肌に向き合う余裕がある日に、季節やその日のコンディションに合わせて角質ケアアイテムを特別な日のケアとして取り入れてみる。
たったそれだけで肌の感触や見え方が変わり、鏡を見る時間にほんの少し自信が生まれます。
無理する必要はないけれど、今の肌に合う選択を重ねていくことで「今の私も悪くないかも」と思える肌になっていく。
そんな実感を、これからも大切にしていきたいと思っています。
~つるんと生まれ変わる私、ささやかな幸せを~
伊澤樹璃