シワ・美白・バリア機能に。ナイアシンアミドが“万能”と呼ばれる理由


年齢を重ねるにつれ
「前より乾燥しやすくなった気がする」
「シミがなんとなく濃く見える」
「肌がゆらぎやすい」
そんな小さな変化を感じる瞬間が増えていませんか。

 30代〜40代は仕事も生活も忙しく、自分のケアはつい後回しになりがちな人も少なくありません。

そんな日々の中でも「今日の私、いいかも」と思える瞬間は、日々の活力や心が弾むような幸福感を与えてくれる大切な心のうるおいの1つです。

そのちょっとした幸せを後押しとなる成分として、改めて大人の女性に支持されているのが「ナイアシンアミド」です。シワ改善から美白、バリア機能のサポートまで、多面的に働くこの成分は、多くの製品に使用され愛されています。

今回は、ナイアシンアミドの仕組みや効果を、難しい専門表現を避けながら分かりやすくまとめました。毎日のケアに取り入れるヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事は原料特性についての紹介を目的としており、特定の製品または成分の効能効果を保証・推奨するものではありません。


 

ナイアシンアミドとは?人気の理由は「効果・使いやすさ・安心感」


ナイアシンアミドはビタミンB3の一種で、実は昔からスキンケアで用いられてきた成分です。

「古い成分=画期的ではない、最新の成分の方が優れている」というわけではなく、むしろ最新の研究でも高い効果が確認され続けている実力派の成分で、多くの製品に採用され専門家からも信頼を集めている素材です。

使う側だけでなく作る側からも人気を集めている理由について、具体的に見ていきましょう。

1) 効果のエビデンスがしっかりしている

ナイアシンアミドの素晴らしい点は、シワ改善・美白・肌のうるおい・皮脂バランスなど、さまざまな効果が研究で確認されていることです。

例えば、複数の臨床試験で2〜5%ほどの濃度を2〜3ヶ月使い続けると、細かいシワやキメの改善、透明感の向上などが統計的に確認されています。

スキンケア成分の中には「なんとなく良い気がする」レベルのものも多いですが、ナイアシンアミドはしっかり裏付けのある成分の1つであると考えられます。

■② 幅広い肌質に使いやすい

次に、ナイアシンアミドは比較的刺激性が低く、乾燥肌・敏感肌・脂性肌など、幅広い肌質に使いやすいことも人気の理由です。

「美白成分は刺激が強いのでは?」という人にも、候補に入れやすい優しい使用感が魅力です。


※全ての人に刺激が起こらないというわけではありません

■③ 医薬部外品の効能を取得

さらに魅力的なのが、医薬部外品の効能を取得しているという点です。

2007年:美白の効能
・2017年:シワ改善の効能


この2つが医薬部外品として承認されています。これはナイアシンアミドのマルチな活躍に期待ができる結果といえます。



 

ナイアシンアミドがもたらす4つの美容効果


期待感高まるナイアシンアミドですが、大人の肌にどんな変化をもたらしてくれるのでしょうか。ここからは、ナイアシンアミドの主要な効果を仕組みとともに紹介します。

1)シワ改善:コラーゲン環境を整えて「ふっくら感」を取り戻す

年齢とともに気になってくる、目元や口元の細かいシワ。

ナイアシンアミドは肌のハリに関わるコラーゲンの生成環境を整え、ふっくらとした肌印象へと導いてくれます。


臨床研究でも、2ヶ月以上(目安)の使用で細かい小ジワの改善が確認されており、継続するほど変化を感じやすい成分です。


攻めのエイジングケアというよりも、毎日じんわり効いてくるような、穏やかなシワ対策のイメージです。

2)美白:独自のメラニンアプローチで透明感をサポート

美白と聞くと「メラニンを作らせない」というイメージが強いですが、ナイアシンアミドのアプローチはすこしユニークです。

医薬部外品効能が取得されたナイアシンアミドの効果を見てみると、メラニンをつくる細胞(メラノサイト)で作られたメラノソームが表皮細胞へと渡されるプロセス(色素の受け渡し)をブロックする働きによって美白効果をもつことが明らかになっています。


そのため、他の異なるアプローチで美白効果を発揮する成分との組み合わせ次第では、心強い存在になる期待を持てるという研究もあります。

3)皮脂バランスを整える:Tゾーンがテカりやすい大人肌に

「頬は乾燥するのに、鼻だけテカる」そんな混合肌特有の悩みにも期待が高まっています。

ナイアシンアミドには皮脂分泌を穏やかにする働きも確認されており、研究によると 2%程度の濃度を数週間の使用で変化もみられています。

これから、更なる研究や可能性が楽しみですね。

4)バリア機能サポート:揺らぎにくい肌へ

健やかな肌にとって欠かせないのが、バリア機能です。

季節の変わり目や忙しく不規則な日が続くと、肌がなんとなく敏感になるのは、このバリアが弱っているサインの可能性があります。

ナイアシンアミドは、肌の保護に欠かせないセラミドの合成を後押しする働きについて、有意的な報告がされています。「乾燥しにくい肌」の土台作りに、一役買ってくれていると言えます。

私たちは、つい「目に見える効果」に目を奪われがちですが、「健やかな肌の土台」「揺らぎにくさ」という一見地味な「安定感」を体感させてくれるのも、大人世代に選ばれる理由かもしれません。



 

大人の肌がもっと喜ぶ、ナイアシンアミドの使いこなし術


効果が幅広いナイアシンアミドは、他の成分との組み合わせにも期待が持てると言われています。

1)ビタミンC

美白メカニズムが異なるので、Wで使うのは透明感ケアとして心強い存在です。ネットやSNSに「併用NG」と出てくることがありますが、明確な科学的根拠となる情報は見つけられませんでした。

反対に組み合わせに対しての効果研究については、いくつかなされていたので、実際に使用して刺激性を感じなければ組み合わせ使用は可能と考えられます。

2)トラネキサム酸

炎症を抑えるトラネキサム酸と、色素の受け渡しを止めるナイアシンアミドの組み合わせも魅力的です。

こちらも美白アプローチが重ならないため、組み合わせると更なる効果に期待ができると考えられます。

3)レチノール

シワ改善の方向性が異なるため、両方を使うと心強い組み合わせと言えます。

こちらもビタミンCと同様「組み合わせてはいけない」という情報が出てきますが、こちらも明確な科学的根拠となる情報は見当たりませんでした。



 

プチ情報:濃度の目安は?


近年よく見かける「濃度」に焦点を当てた表現ですが、「濃度と効果が比例する」わけではありませんので、数字だけにとらわれないようにしましょう。

ナイアシンアミドの濃度目安として、

・2〜3%以上で効果が期待できる
・5%前後までなら多くの人が心地よく使える
・10%以上は人によって「ほてり」を感じることがある

上記はあくまで目安ですので、肌との相性を見ながら、毎日コツコツ無理なく続けることが大切です。


 

まとめ:ナイアシンアミドは「大人の肌の味方」


多くのスキンケアに配合されている「ナイアシンアミド」には
・シワ
・美白
・皮脂
・バリア機能
といった、大人の肌が抱えやすい悩みに対して、包み込むような効果に期待が寄せられています。

決して派手な成分ではありませんが、毎日のスキンケアにそっと寄り添い、肌のコンディションを底上げしてくれる存在となってくれます。

使い続けるうちに「なんだか最近、肌が安定してる」「あ、今日の私好きかも」そんな小さな幸せにつながる、まさに忙しい大人の毎日にピッタリな温かみさえも感じる優しい成分です。

肌がそっと前向きになるような、あなたらしさを引き出してくれる一歩として、ぜひナイアシンアミドをチェックしてみてくださいね。


(本記事の内容について)
※本記事は原料特性についての紹介を目的としており、特定の製品または成分の効能効果を保証・推奨するものではありません。
※本文中の「エイジングケア」とは、年齢に応じたお手入れのこと
※本文中の「美白」とは、メラニンの生成を抑えシミそばかすを防ぐこと


<筆者コメント>
多くのスキンケアに配合されている「ナイアシンアミド」の活躍範囲の広さについて紹介しました。

新規の成分や技術が発表される中で、古くから使われている歴史ある成分は地味に見えがちですが、「歴史ある成分=積み上げた実績と信頼がある」証でもあります。

「なんとなく選ぶ」から「理解・判断して使う」への第一歩として、ヒントとなれば幸いです。

今よりも、もっと輝いてイキイキとした明日を迎えられますように。


〜今日より明日、毎日のアップデートを楽しむ〜

(筆者:西川美佐子)